5月のある晴れた日-白倉新之助

5月のある晴れた日

专辑:ばからし

时间:2022-08-13

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歌词

5月のある晴れた日には

歌い始めた友人が欲しがっているアコースティックギターを一緒に見に行って

それがまるでそいつの為に作られたみたいにそいつにピッタリの音をしていて

その帰り道

ちょうど方南町あたりで

自転車の前輪がパンク

僕は項垂れた自転車の首根っこを掴んで歩くことになる

そんな夜があった

540円で買った安いイヤホンで聴く音楽は

ボブディランがまだ虚勢を張っていた頃の

ドラムスもベースも

ギターにシールドさえも無かった頃の歌

東京の杉並区なんかから見えるのは

霞んだ薄緑色の小さな星空

生温い風は昨日とも明日とも同じ

特別なことなんて何一つない

そんな夜があった

もう歩いて行くしかないと分かった時

人はいつもよりはっきりとした気持ちになる

高級車に乗っている誰かさんよりも

今の僕はちょっとだけ英雄気取りだぜ

5月のある晴れた日には

僕は1人の女の子と付き合うことになる

川崎市はずれの小さなアパート

そのエレベーターも無い四階の部屋

開けっぴろげな希望と蝉の死骸が落ちていた階段

その数年後の

5月のある雨の日

僕はその子と一緒になった

僕はいつしか杉並区のはずれに移り住み

今自転車を押してその家を目指すことになる

そんな夜があった

5月のある晴れた日には

知らない女の子が若くして命を落としたという

歌を歌っていた女の子

その子に向けて今夜新宿で歌を歌っている男の子

その同じ頃

天国で絵を描いている親父の

誕生日を祝う男

僕は一人歩きながら思うんだ

今頃あいつは山梨で

ギターを大事そうに抱えて叫んでいるんだろう

もう歩いて行くしかないと分かった時

それは諦めの気持ちに似ているけどちょっと違う

僕らは前に進むことを止めてはいない

僕らは自分から歩くことを選んだんだぜ

5月のある晴れた日には

そんな風に歩きながら

「5月のある晴れた日」という題名の歌を考えている男

縁石を綱渡りしたり欠伸をしたりしながら

これで酒でも飲めたらよかったけれど

ほらもう高井戸の煙突が見えてきた

煙突の向こうには

今僕たちが暮らしている小さなアパート

生きている奴らは頑張れよ

月は見当たらないけどそう言ってるに違いない

そんな夜があった

もう歩いて行くしかないと分かった時

どれくらいかかるかなんて考えても仕方がない

これは僕の平成27年5月14日のことではあるけれど

君の5月のある晴れた日についてのことなんだよ

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