ふっと こぼれた
きみの ためいき
となりで 聞いてる
ただ それだけでいい
くたびれた コートの袖
雨のしみ 気にして笑う
そういうとこ 前からね
ちょっとだけ 似てるんだよ
帰り道 駅までの
短いようで 長い距離を
他愛ない話で 埋めてく
沈黙も すこし愛しい
だれも知らない涙を
しまいこまなくていいよ
強がるきみの声より
震えたままの心が好き
ここにいるよ いつでも
灯りを消さないまま
転んだ日も 迷う朝も
おなじ空を 見てるから
「だいじょうぶ」と 言えなくても
手だけは 離さないよ
きみがきみで いられるように
そっと となりで 見守ってる
ささやかな メモの端
「ありがとう」って 書いてあった
言葉より 筆圧(ふであつ)がね
がんばり屋の 証拠みたい
うまくいかない日ばかり
並べてしまう 癖のきみも
ほんとはね もうじゅうぶん
誰かを 照らしてるのに
できないことを数えて
自分を 責めたりしないで
足りないままの一歩を
たからものだと 呼んでほしい
ここにいるよ いつでも
灯りを消さないまま
泣きたい夜 笑えない夜
心ごと 抱きしめたい
「がんばって」と 急がさない
立ち止まる背中ごと
きみがまた 前を向くまで
そっと となりで 寄り添ってる
あしたのことは わからないけど
いま手の中にある ぬくもりだけ
信じてみても いいかな
それだけで じゅうぶんだよ
ここにいるよ いつでも
変わらない場所のまま
晴れた日にも くもる日にも
きみの空を 見上げてる
ひとりきりで 震える夜は
思い出してくれたらいい
きみがきみで 笑えたとき
そっと わたしも 笑ってるよ
おやすみって つぶやいた
まつげに ひかりが揺れる
消えそうで 消えないままの
やさしさの灯(あか)り 見送ってる