夕暮れ 駅まで続く道
ふたりで歩いた影を ひとりで辿る
ぎこちない笑い声さえ
今はやさしい 夢の続きみたいで
窓ガラス 指でなぞる名前
消したはずなのに また浮かびあがる
言えなかった さよならより
言えなかった 「行かないで」が苦しい
同じ空を どこかで見てるの?
ふと立ち止まり 息を止めたまま
君のいない季節が 静かに始まって
変わらない景色だけが やけにまぶしい
「大丈夫」と笑った あの日のくちびるが
胸の奥でまだ 震えたままなんだ
会いたいと言えずに 今日も時間だけ進む
古びたアルバム ひらけば
撮りすぎた写真の中 探してしまう
ピントのずれた横顔が
どうしてこんなに はっきりと痛いの
寝ぐせのまま 遅刻しそうで
走ってた朝の匂い 思い出してる
あたりまえの 小さな日々
失くして初めて 宝物と知った
忘れようと 強く目を閉じれば
まぶたの裏で 君が笑うから
君のいない季節を うまく歩けなくて
立ち止まるたび君の名を そっと呼んでる
もう届かない言葉が 喉につかえたまま
「平気だよ」とまた 嘘を重ねていく
強がりの隙間に 君の面影が揺れる
もしあの日 違う返事をしていたら
今も隣に 君はいたのかな
鍵のかかった 未来のドアの前で
何度も 何度も ノックしてしまう (ねぇ)
君のいない季節で それでも生きていくと
ようやく少しだけ 信じられそうで
でも心のどこかで 君の帰り道だけ
ずっとあたたかく 灯りを残してる
さよならの続きに いつか優しい朝が
君にも訪れるように そっと願ってる
ひとりきりの部屋に 夜が降りてくる
名前を呼ぶ癖だけが まだやめられない
鍵を置いた音さえ まだ君を探してる
ゆっくりと遠ざかる ピアノの余韻の中で