闇の風が髪をなでて
静かな夜が息をひそめる
光よりも甘い影が
わたしをそっと包みこむ
瞼の裏で揺れる色は
天国よりも美しくて
触れた瞬間すべてが変わる
それでも惹かれてしまうの
願いのかけらが落ちるたび
胸の奥が赤くそまる
ここは名前のない楽園
滅びの上で咲くひとつの夢
罪も愛も混ざりあって
静かに心をとかしていく
――あなたの声が、扉を開く。
沈黙に染まった庭には
黒い花がそっと香る
美しいほど危険で
危険なほどに愛しい
そばにいるだけで震えて
この渇きは名前を持たない
抱きしめたいのに抱けない
気高い孤独がまた疼く
どんな光も触れられない
ここはわたしの真ん中だから
ここは名前のない楽園
甘い影が鼓動を奪う場所
痛みよりも深いぬくもりが
胸の奥で炎をあげる
——あなたとなら、堕ちてもいい。
逃げなくていい
夜がふたりを包むから
祈りも罪も溶けてゆく
美しいまま崩れていく
手を伸ばせば届く距離で
ただ息だけを重ねたい
それだけで世界さえも
静かに緩んでいく
ここは名前のない楽園
夜と愛がひとつになる場所
最後の光が消えるまえに
わたしの名を呼んでほしい
——あなたと見る闇こそ、
わたしの楽園。