アスファルト 揺れる陽炎 信号の青
懐かしい匂いがした
粉々になった蝉の抜け殻が 風に吹かれ漂う
夕映えに迷い込んだ上り月
記憶が疼いていた
あの頃に戻れたら
後悔・感動逃げずに謳歌してるかな
聴きなじんだ五時の音に
とり残されている気がした
線香と畳の匂い
朽ちたポスター照らすガラスウォール
薄味のカレーライス
でもこの街に住む同級生たちは
既に染まっていた
あの時に戻れたら
少しは他人と仲良くなっているかな
商店街に響く笑い声
独り取り残されていた
僕らの学び舎は工場に代わっていた
夏果てりけり
埃も証も少しずつ薄れゆく故 痕鮮やかに残らるる
この街で確かに生きていたんだ