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夕焼けを君はオレンジと言ったけど
どちらかと言えば赤く見えた
言い直すほどでもないから
そのまま空を見ていた
同じものを見ているはずなのに
目に映る景色は少し違っていて
同じ経験をしていても
感じ方は違っている
名前を付けた瞬間に
同じものだと思い込む
君の世界の輪郭に
自分の定規を当てないように
違うまま残る余白を
消さずにいたかったんだ
分かったつもりになるより
知ろうとし続けたかった
「青く塗って」と君は言い
迷わず塗り上げた
出来上がった絵を見て
少しだけ黙っていた
分かっているつもりほど
危ういものはないから
僕らは何度でもきっと
言葉を交わすんだろう
名前を付けた瞬間に
同じものだと思い込む
それが当たり前とならないように
忘れないでいたかった
重ならないその輪郭を
無理に合わせることなく
分かるよりも確かめることを
続けていたかった
もしも全部同じなら
確かめる必要もない
届かないから手を伸ばし
違うから話をする
赤にも見える夕暮れを
紫と呼ぶ人もいる
どちらがあっているかじゃなくて
どちらもそこにあった
名前を付けた瞬間に
こぼれ落ちるものもある
それでも何度だって
言葉を交わしていく
君の見ている世界を
最後まで全部は知れないまま
そのズレごと抱えながら
隣を歩いていたい
夜空を君は紺色と言ったけど
どちらかと言えば黒く見えた
その違いを埋めるよりも
大事なことがあった