はじめに。
このマニュアルは、守らねばならない。
このマニュアルを守らなければ、
とんでもないことが起こるからだ。
あたしはそう思っていた。
それは、あたしにとって、希望だった。
本当は、あたしって、
けっこう夢見がちだったのかもしれない。
返り血って、
勝手にイイ感じの模様になるもんだって思ってたし、
牢屋では、
毎日最低のドラマばっかり起こってるって信じてたし。
でも実際は、生きてる限り、
身も心も同じ速度で乾いてくだけ。
結局、あたしが憧れたソレは、平等に似た、絶望。
人差し指 優越バター たっぷり塗って
今宵は誰のリアルを喰らう?
廻せ人間ビュッフェ 暇潰しのディナー
愛しい前科と踊って夜を誤魔化そう、死ぬまで
どんなクズもそれなりの人生(みち)があるって
牢屋の壁 センセイのおたより
罪状二番煎じ 線路(レール)の上の裁き
例外なんてないってサ 殺っちゃう前に教えてよ
船はいずれ受け皿に着く
新しい量産型ディストピア
どうせ予定調和みたいに あたしを飲み込むんだ
つまんない
ねえ壊して その正しい仇であたしを突いて
そう誰かの血で脚本(ほん)を書く 読み棄てる
・・・演じ疲れたわ
生まれてから死ぬまで執行猶予
刑期(おとな)をうまく演り過ごしても
娑婆に出るころ 街は無機物
憧れていた あの自由さえ 灰色だ
不名誉な傷 集めてみては
堕ちるとこまで堕ちたって
平凡な孤独と並んで 結局生きてくだけ
つまんない
ねえ壊して その濡れた瞳で証明して
そう誰かの血で脚本(ほん)を書く 読み棄てる
Chapter Skip >>"prologue"
だからあたし筆をとった
世界のどこか まるで似てる誰か
救うほんの僅か
だけど何をどうしたって 神のてのひら
「フツウ、フツウ、フツウ、フツウ」
あゝ つまんねえ
ねえ壊して その正しい仇であたしを突いて
そう誰かの血で脚本(ほん)を書く 読み棄てる Ah
ねえ壊して その濡れた瞳で証明して
そう誰かの血で脚本(ほん)を書く 読み棄てる
・・・演じ疲れたわ
このマニュアルは、守らねばならない。
このマニュアルを守らなければ、
とんでもないことが起こるからだ。
それは、あたしにとって、希望だった。
きみにとっては、絶望だろうか?
このマニュアルを、守ってあげてほしい。
そして、何度も何度も読み返してあげてほしい。
このマニュアルがきみ自身であると、気付くために。
おわり。