夜が少し
長くなっただけ
帰る道は
変わっていない
足音だけ
一つ増えて
振り向いても
誰もいない
置いた音は
消えたはずだった
名前も付けず
置いたまま
鳴っている
遠くで
忘れた場所から
戻るはずのない音が
また触れた
静かなまま
何も言わず
少しだけ
隣にいる
古い傷も
癖みたいに
思い出さず
触れてしまう
知らないまま
拾ったものが
何故かまだ
手に残る
……聞こえるか
ひとつ多い音
鳴っている
今も
置いたままなのに
消したはずの景色まで
連れてくる
言葉じゃなく
形でもなく
ただそこで
待っていた